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2009年10月

2009年10月31日 (土)

【東京】23区の再編はあるのか

3日間、ブログ更新ができず、もうネタ切れか?と思われるのもシャクなので、あまり面白くない東京23区の話。

職業柄、月末になると、税務署に行くことが多いです。この東京の税務署、1つの区に2か所あるところが結構あります。千代田区は麹町と神田、中央区は日本橋と京橋、港区は芝と麻布といった具合です。
なぜこのような所在地になっているのかと、初めは不思議な気がしていたのですが、東京の区部の変遷を知って納得しました。

東京に区が編成されたのは、1878年(明治11年)のことで、当初は15区でした。1889年(明治22年)に15の区部をもって東京府東京市となりました。当時の東京市は、現在の千代田、中央、港、文京、台東の各区と新宿、墨田、江東の一部のみでした。当時は、渋谷も池袋も品川も、新宿の中心部も東京市ではなかったわけです。

その後、1923年(大正12年)の関東大震災で大打撃を受けた東京市は、人口で大阪市に抜かれることになります。そこで、1932年(昭和7年)、当時町村だった地域を東京市に編入し、35区となりました。そして、戦時中の1943年(昭和18年)都政が施行され、東京都直轄の行政区としての35区となります。現在の23区に再編されたのは、戦後の1947年(昭和22年)のことで、この時に、地方自治法による特別区となっています。税務署は、この35区時代にできたために、その名残が残っているわけです。

現在の23区となってから、すでに60年以上が経過し、再編が議論されています。たしかに現在の区部はかなりいびつになっており、中心部の千代田区は4万5千人、中央区は11万5千人しか住民がいません(これでも最近増加した)。一方、世田谷区は86万人、練馬区は71万人と人口が膨れあがっています。世田谷区などは、再編なら市政を施行し、政令市になると主張しているほどです。

こうした状況下で、東京都は区をまたいで行政機関を統合するなど、合理化を進めていますが、各区の思惑もあって、再編の本格的議論には至っていないようです。

最近は、都心回帰現象が起きており、都心に近い地域にマンションがどんどん新築されており、少しずつ人口も増え始めています。これから首都東京はどのように変貌していくのか、見守りたいと思います。

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2009年10月27日 (火)

【ミステリー】江戸川乱歩の計り知れない功績

私がミステリーを語る際、ニックネームを拝借している関係上、江戸川乱歩に触れなければなるまい。

ところで、江戸川乱歩という名前は一般にも有名で、名探偵・明智小五郎の名も一度は聞いたことがあると思う。では、代表作は?と聞かれると、答えに詰まる人が多いのではないか。おそらく、横溝正史や高木彬光の方が作品としては有名だし、探偵としての活躍ぶりも、金田一耕助や神津恭介の方がよく知られているのではないか。

では、乱歩がミステリー界に残した功績は何か。それは、国内での新人の発掘と、海外ミステリーの紹介に尽力したことにある。
我が国のミステリーの歴史上、重要な役割を果たしたのが、大正9年(1920年)創刊の雑誌「新青年」であった。乱歩も「二銭銅貨」がこの雑誌に掲載されたことにより、探偵小説家としてデビューしている。その後、小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」や横溝正史の「八つ墓村」(未完)などが掲載され、翻訳ものもいくつか紹介されたが、戦時において探偵小説が掲載されなくなり、戦後間もない昭和25年(1950年)に廃刊となった。
余談だが、日本が大正から昭和初期であった時代に、欧米では本格黄金時代を迎えていたとは驚きである。

この「新青年」が探偵小説から遠ざかったことにより、新たに探偵小説雑誌として昭和21年(1946年)創刊されたのが、雑誌「宝石」である。(その後光文社から創刊され廃刊となった「週刊宝石」とは無関係)
乱歩はこの雑誌の創刊に協力し、経営悪化の際には、自ら編集長となり、私財を投じて刊行を続けた。

「宝石」には、横溝正史が創刊号に「本陣殺人事件」を掲載したのをはじめ、「獄門島」「八つ墓村」(続編)「悪魔の手毬唄」などを連載。高木彬光も「能面殺人事件」「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」を連載した。(「刺青殺人事件」は姉妹誌の「宝石選書」に連載)
おもしろいことに、遠藤周作や石原慎太郎も探偵小説を掲載したことがある。
また、懸賞小説を募集し、ここから島田一男、鮎川哲也、山村正夫、斎藤栄らがデビューを果たしている。

海外ミステリーは、主として姉妹誌「別冊宝石」に掲載され、数多くの作品が我が国に紹介されることとなった。これこそが、乱歩がミステリー界に果たした最大の功績である。

海外ミステリーが邦訳されるにあたっては、乱歩の意向が強く働いていたことは想像に難くない。それにしても、乱歩をはじめ、ジョン・ディクスン・カーに強い影響を受けた横溝正史や高木彬光らは、原書で読んでいたことになり、英語教育が今ほどでなかった時代だけに関心させられる。この時代の推理作家には、翻訳を手がけた人も多い。
乱歩が称賛した作品は、現在も概ね好評価を得ており、乱歩がいなければ、現在の我々もここまで海外ミステリーを読むことはできなかったかも知れない。

Photo 別冊宝石109号(昭和36年)

ここに興味深い座談会が掲載されている雑誌がある。昭和36年のものだが、蒼井雄という作家を交えて乱歩と横溝が対談している。

この雑誌に掲載されている蒼井の作品は、現在でいうトラベルミステリーなのだが、当時はこの言葉はなく、乱歩は「クロフツ流」「樽式」と称している。この時、すでにこのプロットの源流はF・Wクロフツ「樽」であり、鮎川哲也「黒いトランク」、松本清張「点と線」もその流れの中にあると指摘している。これが、現在の西村京太郎のトラベルミステリーにつながっていると考えると興味深い。

さらに、横溝は本格ものにこだわり、カーやクロフツを高く評価し、当時隆盛だった松本清張らの社会派に対し批判的である。作家は受けるものを書くのではなく、好きなものを書くのだと主張している。それはそれで立派な見解とは思うが、乱歩は謎解きは滅びはしないがこれから下火になり、作家の個性が加わったものが受けると発言している。

また、当時はあまり評価が高くなかったアガサ・クリスティーにも触れ、「そして誰もいなくなった」を称賛している。その後の人気を考えると、さすが、と思わざるを得ない。

乱歩の、ミステリー界における功績は計り知れないが、それは、作品に対する的確な評価と読者の心理分析、そして先見の明があってこそ可能であったのだと、改めて認識した次第である。

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2009年10月24日 (土)

【駅弁】東京駅・東日本縦断駅弁大会

10/24・25の両日、東京駅で開催されている、東日本縦断駅弁大会に行ってきました。

Photo 会場に行ったのが昼ごろだったので、朝の状況はわかりませんが、さほど混雑はしていませんでした。
それでも、人通りの多いコンコースだけに、足を止めて会場に入っていく人も見受けられました。

表のワゴンでは、NREの「45周年記念チキン弁当」と新発売の「東京赤煉瓦ハンバーグ弁当」が売られ、その両脇で「牛肉どまん中」「シウマイ弁当」が売られていました。
目玉商品と超有名駅弁を並べて目を引こうということでしょうが、売上はいま一つに見えました。

12時過ぎの時点で、「エビス亭暑中乃膳」は別にして、売り切れは山形「みちのく弁当の旅」のみ。この駅弁は昔からありますが、普段は東京駅に来ないので売り切れが早かったのでしょう。販売個数も少なかったのかも知れません。

今回は、会場に入って真正面の場所は、時間によって入れ替わるようで、13時に米沢・松川弁当店から小淵沢・丸政に交替しました。この両社は、新商品を含め多くの商品を出品しており、地元からも派遣されているようでした。

Photo_2 松川弁当店は、その後、表でワゴン販売を開始。
社長さんが直江兼続公に扮して奮戦していました。
この社長さんは、何度かテレビで見たことがありますが、さすがに知り合いが多いようで、何度も話しかけられていました。
商品の説明も丁寧で、駅弁にかける情熱が伝わってきました。

さて、購入した駅弁を紹介します。

Photo_3 Photo_4 横川・おぎのやの「連雅-れんが-」です。「富岡製糸場」世界遺産登録応援弁当、の文字があります。

この会社が、「峠の釜めし」以外を出品するのは珍しいのですが、さすがこの駅弁屋の商品には、ハズレはありません。

裏面にお品書きがあり、群馬県富岡市の食材を主に使っているとのことです。野菜の産地らしく、下仁田ねぎ、ぶんぶんとまと、かぼちゃ、きゃべつなどがむんだんに使われています。

量はやや少なめですが、昼食にはちょうどよかったです。

Photo_5 Photo_6小淵沢・丸政の「平成22年御柱祭弁当」です。今回の丸政の目玉はこれのようです。

7年に1回、諏訪大社で行われる御柱祭を記念して発売された駅弁です。
問い合わせたところ、祭りの開催は来年なので、来年いっぱい発売される予定とのことですが、小淵沢の駅弁は、新宿には来ても東京駅には来ないので、ここで買っておくことにしました。

二段重ねで、ご飯はうなぎを乗せたちらしずしです。おかずの中のしぐれ煮はさくら肉です。諏訪湖のワカサギ、信州氷豆腐、ひめたけなど、地元の名産が使われています。おぎのや同様、有名な駅弁屋の商品は、新作でも安心して購入できます。

東日本縦断駅弁大会は明日までです。さほど混雑はしていませんし、品数も豊富です。普段は「旨囲門」では買えない、大館の「鶏めし」もあります。行ける方はこのチャンスにお買い求めください。

なお、このブログは、予想以上のアクセス数になっております。閲覧していただだいている方々に感謝いたします。特に、「駅弁の小窓」からのリンクが驚異的に伸びており、時々このブログを紹介していただいている上ちゃんには、この場を借りて御礼申し上げます。

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2009年10月23日 (金)

【グルメ】東京駅グランスタ名店の味

東京駅では、明日からTokyo Station City Festaが開催されます。ここでは、2周年を迎えるグランスタに出店している名店のメニューをいくつかご紹介します。

Photo 浅草今半の「すきやき弁当」です。
言わずと知れたすき焼きの名店ですが、和牛の味はさすが!

この弁当は、三越日本橋本店では個数限定なので、夕方以降に買えることはまずありませんが、グランスタでは、夜でも買えます。

他に「牛肉弁当」「牛玉弁当」があり、これもおすすめです。

Photo_2 「ヒレかつサンド」でおなじみのまい泉「そぼろ弁当」です。

この店では、とんかつを食べたいところですが、おかずの種類が多いこれもおすすめできます。

百貨店等に数多く出店していますが、店舗によってメニューが違うようです。

Photo_3 新宿アカシアの「ビーフシチュー弁当」です。
この店は、ロールキャベツが名物で、もちろんロールキャベツ弁当もあります。

本店は、新宿、靖国通りから路地を入った所にあり、カレーやハム、ソーセージなどもおいしい店です。

グランスタには、他にもおいしい弁当類を売る店が揃っています。夕方には、帰宅途中の通勤客で大変賑わっています。
東京にお越しの旅行客にも、ぜひ立ち寄っていただきたいと思います。

もっとも、駅弁にとって強力なライバルでありますから、駅弁ファンにとってはありがたくない存在でしょうが、もはやエキナカ施設はひとつの文化と言ってもいい状況ですから、その中で、駅弁を選択してもらえるよう、駅弁屋さんも切磋琢磨していかなければならないでしょう。

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2009年10月21日 (水)

【駅弁】Tokyo Station City Festa「東日本縦断駅弁祭り」~予告

東京駅では、10/24(土)~11/1(日)Tokyo Station City Festaが開催され、その一環として24、25日の両日「第10回東日本縦断駅弁祭り」が開催されます。
鉄道の日に駅弁大会が開催されず、どうなるのかと思っていましたが、グランスタ開業2周年と合わせて開催されることになりました。

Photo 東日本の駅弁100種類大集合!と謳われています。

「チキン弁当」は45周年バージョンのようです。「東京赤煉瓦ハンバーグ弁当」が先行販売されるとのことです。

Photo_2 そして、今回の目玉は、千葉万葉軒の「エビス亭暑中乃膳」。サッポロビールとの提携による豪華駅弁で、エビスビール付きです。

各日50個限定で、8:30から整理券配布とのことですが、たぶん早朝から並ばないと無理でしょう。

今回は、一部の駅弁は5:30から販売開始のようです。

「駅弁王国新潟」キャンペーンもありますが、これはすでに一部のNRE売店で販売中です。

これ以外の駅弁については、詳細はわかりませんが、行列覚悟の目玉以外は、取り立てて買いたいものはなさそう。「旨囲門」か「極」でいつでも買えるものに、一部が加わるだけなら、販売開始後にのんびりと行こうかな、と考えています。

グランスタ各店のイベントは1週間余ありますが、駅弁祭りは2日間だけなので、この2日間は駅弁に人気が集まるとは思います。(そうであってほしい・・・)今回、NREの宣伝が控えめなのは、グランスタ開業2周年と合わせてのイベントなので、他店に遠慮してのことかと考えましたが、どうでしょう。

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2009年10月18日 (日)

【ミステリー】裁判員制度の影響、こんな所にも?

パーシヴァル・ワイルドの名著「検死審問-インクエスト-」が2008年、創元推理文庫から復刊された。

この作品は、江戸川乱歩が「1935年以降のベスト10」に挙げており、コアなミステリーファンには有名である。過去に「検屍裁判-インクエスト」のタイトルで「別冊宝石」に掲載され、その後、東京創元社・世界推理小説全集と新潮文庫から刊行されたが、いずれも絶版となっており、復刊を望む声が多かった作品である。

ところが、これが古書としても入手困難で、特に新潮文庫版は、いまだに実物にお目にかかったことがない。3年前、やっと神保町の古書店で東京創元社版を入手できたが、ほどなく創元推理文庫から刊行されると知り、拍子抜けしたものである。

Photo Inquest by Percival Wilde,1940
左が東京創元社・世界推理小説全集(1956年)、右が創元推理文庫(2008年)

ところで、この作品が、なぜこの時期に復刊されることになったのか?ちょうど日本にも裁判員制度が導入されることになり、CS放送でも、法廷ものの映画やドラマがさかんに放送されていたため、それが影響しているのか?、と考えたこともあった。

そもそも、わが国では、海外の法廷ミステリーは流行らない。陪審制度が日本人にはなじみがないからであろう。唯一、E・S・ガードナーのベリイ・メイスンシリーズが数多く邦訳されているのみである。(未読のため解説できないのであしからず)

わが国では、赤かぶ検事で有名な和久峻三などが、法廷ものを書いているが、検察官と弁護人のプレゼン合戦のような構成にはなじめないミステリーファンも多いのではないか。

それに対し、「検死審問-インクエスト-」は、検死官が主人公という珍しい設定である。「インクエスト」とは、当時のアメリカの一部の州の制度による「検死陪審裁判」のことで、検死法廷において、検死陪審員が評決を行うが、それは検死の域を出ないものである。
新訳において、タイトルを「裁判」から「審問」に変更したのは、正式裁判と混同するのを避けるためであろう。

よって、この作品では、検死官は裁判官のような役割で、検察官も弁護人も登場しない。結果として、検死官が探偵役となって事件を解決する、という本格推理小説と変わらない構成である。陪審員も、完全に脇役に甘んじており、とても陪審制度を描いたものとは言えない。
したがって、裁判員制度とこの作品の復刊を結びつけるのは、私の単なる邪推のようである。ただ、出版社とすれば、法廷ものと誤認して購入してもらえればよい訳で、その狙いがなかったか?、と今も疑っている。

陪審制度を描いた名作としては、レイモンド・ポストゲート「十二人の評決」がある。これも、江戸川乱歩がベスト10に挙げた作品である。

Photo_2 Verdict of Twelve by Raymond William Postgate,1940
ハヤカワポケットミステリ「十二人の評決-改訳版」。現在も新刊で入手可。

この作品は、陪審員の心理状態にスポットを当てており、陪審員の心証をメーターで示すといった面白い手法が採られている。
自分が裁判員に選ばれたときのことを想定しながら読める、という点では、こちらのほうがふさわしいであろう。ただ、この作品のような事件に出くわす確率は低いであろうが。

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2009年10月17日 (土)

【グルメ】秋の味覚

貧乏人のT君(9月29日記事参照)が、珍しく万札を持っていたので、秋の味覚を味わいに行くことに。といっても、高級店ではなく、大衆居酒屋です。

グルメというほどではないのですが、T君が自慢したいので書いてくれとうるさいので・・・。

Photo 松茸です。

もちろん輸入ものでしょうが、いい香りがします。近所で松茸が取れたのは、もう遠い遠い昔になってしまいました。

Photo_2 秋の味覚、安くてうまい、大衆の味方といえば、これ、サンマでしょう。

油が乗ってます。思わず冷酒を追加してしまいました。

ただ、最近、酒に弱くなったのか、量が飲めなくなってきました。(エルザ☆この間は酔っ払ってゴメン。反省してます)

最近は、きれいで落ち着けて、それでいて安い居酒屋が増えましたね。味も決して悪くないし。

いしちゃん、今度ここへ行きましょう。カラオケ店も近いし。

今回は、内輪ネタばかりですみませんでした(汗)。

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2009年10月14日 (水)

【ミステリー】初心者にお薦めの海外ミステリー

ここに訪れる方には、ミステリー初心者が多くいらっしゃると思います。国内ものは読んだことがあるが、海外ミステリーはちょっと、という方も多いと思いますが、何といっても、ミステリーの原点は海外もの、特に黄金時代と呼ばれる1920~30年代の作品こそ、ぜひともお薦めしたいと考えております。この時代の作品を中心に、独断でお薦めの海外ミステリーを選んでみたいと思います。なお、逆に初心者にはお勧めできない、もう少しミステリーに精通してからの方がよいと思われる作品も併せて紹介します。

私の場合、海外ミステリーは、国内ものに比べて、読む時間が倍くらいかかります。まず、登場人物の名前がなかなか覚えられない。設定をイメージするのに時間がかかる。という理由からです。
よって、長編を読む場合は、それなりの時間が必要です。ミステリーは一気に読まないと面白味が半減します。くれぐれも睡眠不足にならないように。

● 初心者にお薦めの作品

① エラリー・クイーン「Yの悲劇」

これは、私が児童用探偵小説(ホームズなど)を卒業して、最初に読んだ作品です。意外な結末で有名ですが、事件がテンポよく流れるので、初心者にも読みやすいと思います。ただし、この作品は、日本でしか評価が高くありません。逆にいうと、それだけ日本人向けということでしょう。また、さまざまな矛盾点が指摘されていますが、それに気づくようなら、才能ありです(笑)。

② アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」

おそらく、海外ミステリー作家で、もっとも有名なのがクリスティーでしょう。それだけに、初心者にお薦めできる、読みやすい作品が多いです。「ABC殺人事件」「予告殺人」「雲をつかむ死」「なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?」など(後述の「アクロイド殺し」を除く)。また、このタイトルは、一度は聞いたことがあると思います。サスペンス的要素も強く、この閉鎖的環境で起こる事件は、後に多く模倣されています。初心者で、犯人が途中でわかったら天才です。

③ F・W・クロフツ「樽」

初心者向けミステリーの定番です。トラベルミステリーの原点とも言える作品(この言葉は最近できたのですが)で、後に多大な影響を受けた日本人作家も多いようです。クロフツは、元鉄道技師ですが、列車だけでなく、航空機や船を使った作品も多く、お勧めです。

④ ウィリアム・アイリッシュ「幻の女」

サスペンスの最高傑作。サスペンスは、初心者にも読みやすいと思います。限られた時間の中で事件を解決しなければならない、という設定は、日本人には受けるようです。この作品は、サスペンス度だけでなく、本格もの並のトリックもあるのがお薦め理由の一つです。同じ作者の「暁の死線」も、同様の設定で、お薦めです。

⑤ ジョン・ディクスン・カー「三つの棺」

カーの作品は、人によって評価が分かれ、アンケートでは各作品に票が分散してしまい、上位にこない、という傾向があります。密室トリックを使った作品は、複数ありますが、「密室談義」が織り込まれたこの作品を選びました。他に密室ものでは、「ユダの窓」「曲った蝶番」、それ以外では、「皇帝のかぎ煙草入れ」「緑のカプセルの謎」がお薦めです。

⑥ A・A・ミルン「赤い館の秘密」

「くまのプーさん」の作者、ミルン唯一のミステリー。童話作家だけに読みやすく、それでいて本格的です。

ここまでは、各種アンケート等で高い評価を得ている作品ですが、以下は、個人的評価によるお勧めです。

⑦ ヒラリー・ウォー「失踪当時の服装は」

戦後の作品。警察小説なので、日本人にはなじみやすいと思います。事件も身近に感じられるでしょう。ただし、R-15かも。

⑧ ドロシー・L・セイヤーズ「学寮祭の夜」

セイヤーズは、本国ではクリスティーと同等の評価を受けている女性作家です。「ナイン・テイラーズ」が代表作ですが、設定の面白さからこちらを選びました。

⑨ アラン・グリーン「くたばれ!健康法」

ユーモアたっぷりで読みやすいですが、トリックは有名です。ただし、新刊の入手不可。

⑩ パトリシア・ハイスミス「見知らぬ乗客」

映画「太陽がいっぱい」で有名なハイスミスですが、これがデビュー作。これも、ヒッチコックが映画化しています。なじみが深い人も多いということで。これもR-15?。

● 初心者にはお薦めできない作品

これらは、決して駄作というわけではありません。いずれも高い評価を受けている作品ですが、初心者向けではなく、一定数のミステリーを読んでからにしたほうがいいという意味です。

① アガサ・クリスティー「アクロイド殺し」

読みやすい作品が多いクリスティーの中で、これは初心者向けでないというのが定説です。詳しく書くとネタバレになってしまうので触れませんが、「アンフェア」とのクレームが付き、大論争を巻き起こした作品です。

② フランシス・アイルズ「殺意」

倒叙ものの名作。倒叙とは、犯人の側から描いた作品で、初めから犯人はわかっているという設定です。その意味でも初心者向けではないのですが、この作品は、結末が問題。アイルズは、アントニイ・バークリーの別名ですが、全般にクセがあり(ミステリーサイト「aga-search」管理人いわく「クセモノ」)、初心者向けとは言えません。

③ パット・マガー「七人のおば」

マガーは、他に「被害者を探せ!」「探偵を探せ!」など、さまざまな設定に挑戦した女性作家です。これは、従来の本格ものに飽き足らなくなった人向けと考えます。

④ ジョン・ディクスン・カー「火刑法廷」

すでに読んだ方は、これがなぜここに入るのか疑問でしょう。カーの作品の中でも評価の高い作品で、二大トリックが使われている名作です。ただ、個人的に、エピローグがよけいだった、初心者には混乱を招くものと判断しました。

⑤ E・C・ベントリー「トレント最後の事件」

これも「火刑法廷」同様に、疑問の方も多いと思います。本格黄金時代の幕開けとなった名作で、むしろ真っ先に読むべきでは、という意見もあるでしょうが、個人的に「あの部分」が・・・。初心者にはショックが大きいのではないかと判断しました。

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2009年10月12日 (月)

【駅弁】【グルメ】代々木公園「来て見て食べて感動!九州観光・物産フェア」~最終日

唐突ですが、問題です。

焼うどん バナナの叩き売り アーケード商店街 パンチパーマ 競輪

これらに共通する事項は何でしょう。正解は後半で。

さて、三日間の開催となった、代々木公園「来て見て食べて感動!九州観光・物産フェア」も最終日を迎えました。

Photo お昼時は激込みです。大盛況と言えるでしょう。これなら、来年以降の開催も保証されたかも。

今日は出遅れることなく、駅弁コーナーに並びます。
12時前にすべてが到着。すでに20人以上が並んでいました。

すぐ後ろに並んだ方に、駅弁を知らないので、お薦めのものは何か聞かれたので、「かれい川」をまず推奨したのですが、順番が来る前に売り切れ!
結局、私と全く同じ三品を購入しました。

私が選ぶ基準は、新商品か他では入手しにくいもので、駅弁大会などに頻繁に出品されるものは避けるので、必ずしもその人に合うかどうかはわかりません。気に入ってもらえただろうか、ちょっと不安です。

Photo_2 西都城駅、せとやま弁当「かしわめし」です。

昔からある駅弁ですが、甘辛く味付けされた鶏肉は独特のものがあり、何度でも食べたくなります。意外と他の駅弁大会では見かけないので、あれば買うことにしている駅弁です。

Photo_3次は新商品です。
出水駅、松栄軒「薩摩黒豚丼」。
ここは、黒豚を使った駅弁を複数出しており、特に「かごんま黒ぶた弁当」は、個人的にベスト10に入るので、安心して購入しました。

ただし、これは電子レンジにかけた方がよいと判断し、持ち帰りに。

Photo_4 もう一つ、一昨日はノーマークにしてしまいましたが、「駅弁の小窓」の常連さんから推奨があったので、鳥栖駅、中央軒の新作「うみたけ寿司」をチョイスしました。
これは珍味です。歯ごたえがあるうみたけと酢飯に混ぜてあるあさり、椎茸がマッチしています。味は濃い目で、醤油はいらないくらいです。

Photo_6 九州フェアでは、地鶏の炭火焼は名物と言っていいでしょう。炎を上げるシーンもすっかりおなじみになりました。

また、とんこつラーメンの人気が圧倒的に高く、陰に隠れがちですが、こんな名物もあります。

Photo_7 丸ふじは、駅弁や空弁を販売していますが、今回は焼うどんで参戦していました。ただ、焼うどんはもう一軒、東京にも出店している店があり、そちらに比べ、苦戦している様子でした。

ところで、焼うどんが小倉発祥であることを知っていましたか?
私は今回、初めて知りました。

終戦直後、小倉の店が、焼そばを作ろうとしたが、中華麺が手に入らずうどんで代用したのが始まりだそうです。

ということで、冒頭のクイズの答えは、「北九州市が発祥の地であるもの」でした。

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2009年10月11日 (日)

【東京】地下鉄駅のミステリー②~同じ駅なのに名前が違う?

三連休の中日なのに、都内をうろつくことになってしまった今日。地下鉄を利用していて、やっぱり違和感を感じてしまうことをいくつか紹介します。

東京の地下鉄が複雑怪奇なのは、その路線が入り組んでいること、駅の構造がわかりにくいことによるのですが、それに輪をかけるのが、駅名の奇妙さです。

Photo 同じ駅なのに、三路線がそれぞれ別の駅名になっています。こういった例は、他にもたくさんありますが、それは鉄道会社が違う場合がほとんどだと思います。
この駅の場合は、都営新宿線は東京都交通局ですが、丸ノ内線と千代田線は同じ東京メトロです。

なぜこうなってしまったのかというと、もともと「淡路町」と「新御茶ノ水」は別の駅で、連絡通路もありませんでした。そこに、都営新宿線が両線にクロスする形で開業し、三駅がつながったのですが、東京都交通局は、駅名をどちらにも合わせず「小川町」にしてしまったために、起きた事態です。

たしかにこの駅は、「千代田区神田小川町」にあり、東京都交通局は「自分が正しい」ということでしょうが、利用者にとっては迷惑な話です。なお、そうした駅の構造から、都営→東京メトロへの乗り換えは簡単ですが、丸ノ内線と千代田線の乗り換えは遠く、たいていは隣の大手町駅(これも決して便利ではないが)を利用することになります。言ってみれば、東京メトロにとっては、今でも別の駅ということなのかも知れません。

これと似たケースとしては、後楽園駅-春日駅がありますが、ここは、東京メトロが「後楽園」、都営が「春日」なのでまだ納得できます。(ただし駅の構造は複雑。それはまた別の機会に)
また、銀座駅は、当初、銀座線は「銀座」、丸ノ内線は「西銀座」でしたが、日比谷線の開通によって、三線がつながった際、「銀座」に統一されています。

どうも東京都交通局は、やはり役所であるからか、駅所在地の住所にこだわる傾向があるようです。先の例でも、確かに後楽園駅は、「文京区春日一丁目」にあります。

Photo_2 ここは同じ都営なのに違う駅名が付けられています。
浅草線の駅は、「中央区東日本橋」にあり、新宿線の駅は、「中央区日本橋馬喰町(ばくろちょう)」と「日本橋横山町」をまたぐ形になっていますが、ここまで町名にこだわらなくても、という気がします。
ちなみに、この両駅は、JR総武快速線ともつながっていて、JRは「馬喰町」と、やはり別の駅名を使っています。

もうひとつ、大阪ではやたら多い「複合駅名」が、都営には結構多いということです。

都営浅草線の「本所吾妻橋」、都営三田線の「白金高輪」、都営新宿線の「馬喰横山」などですが、都営大江戸線にはやたら多く、「若松河田」「清澄白河」「落合南長崎」などがあります。「牛込柳町」は、市谷柳町にあるのに、わざわざ旧区名の「牛込」を冠しています。「上野御徒町」に至っては、なんだかよくわからない駅名です。

東京メトロには、こういった例は少なく、銀座線・南北線の「溜池山王」くらいでしょうか。半蔵門線の「清澄白河」は都営大江戸線が先に開通しているし、南北線の「白金高輪」は都営三田線の駅です。

本来、駅名は、わかりやすいほうがいいはずですが、町名が駅名になるのとそうならないのとでは、知名度が大きく違ってくるため、地元にとっては重大問題です。特に都電の駅名だったものが消滅することは、地元にとって屈辱的なことだったようで、東京都交通局が駅名に配慮するのは理解できますが、利用者に混乱をもたらすのはいかがなものかと思いますが、どうでしょう。

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2009年10月10日 (土)

【駅弁】代々木公園「来て見て食べて感動!九州観光・物産フェア」~駅弁編

「来て見て食べて感動!九州観光・物産フェア」には、駅弁販売もありました。

Photo_7 出遅れたせいで、すでに売り切れもあり。

やはり「かれい川」「栗めし」(人吉)「島津の郷」「かしわめし」(西都城)は人気が高いですね。
新商品「薩摩黒豚丼」(出水)も売り切れ、残念(涙)

Photo_8 同じテーブルに座った人は、九州出身で、いろんな所を旅しているとのことでした。
偶然にも買ったのは同じ宮崎の「椎茸めし」でした。今さら珍しくもない駅弁ですが、椎茸はもちろん、鶏そぼろや他のおかずも非常に丁寧な作りで、これで720円は安い!という意見が一致しました。地元の人が推奨するのですから、間違いはないでしょう。

列車や航空機の画像もいろいろお持ちで、見せていただきました。

Photo_9 新800系つばめのグリーン車シートの展示もありました。

もう一回訪れて、「薩摩黒豚丼」だけはゲットしたいですね。

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【グルメ】代々木公園「来て見て食べて感動!九州観光・物産フェア」~グルメ編

代々木公園の「来て見て食べて感動!九州観光・物産フェア」に行ってきました。

Photo Photo_2

天気が怪しく、雨男の本領発揮か?(一部の人には雨男ぶりは有名)と思わせましたが、午後からは無事晴れ間がのぞき、場内は盛況でした。

とんこつラーメン、長崎ちゃんぽん、地鶏など、おなじみの店が並びます。昨年とはかなり変わっているようで、有田焼カレーは今年はなし。

Photo_3 今年は、こんなコーナーもありました。

Photo_4 さて、今年もお目当てはこれ「天草大王」の焼き鳥です。

Photo_5 焼き上がるのを待ちます。

Photo_6 量はかなり少ないです。2個買えばよかったと後悔。でも行列ができているので、また並ぶ気にはなれません。

今年、最高に良かったのは、テーブルの数が大幅に増えていたこと。昨年は、座る所がなくて困りましたが、主催者も多くの人出を見込んでのことでしょう。

まだあと2日間開催されます。行ける方はぜひ。

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2009年10月 9日 (金)

【旅・鉄道】ロマンスカーMSE乗車レポート

ブログを書き始めてからというもの、首都圏から脱出することができず、次の三連休も都内で過ごすこと確定(涙)。なかなか旅・鉄道ネタを書くことができません。そこで、多少、反則ワザではありますが、6月に乗車した小田急ロマンスカーMSEのレポートを・・・。

MSEは、小田急と東京メトロ千代田線を直通する特急として、昨年3月にデビューしました。
平日は、通勤用として朝夕の運転ですが、土休日は観光特急として、北千住~箱根湯本間で運転されています。

「週刊東洋経済」7/4号には、「鉄道進化論」と題した特集が掲載されています。それによると、首都圏の鉄道は、「競争と協調」がテーマで、その象徴がJRと東武の日光、鬼怒川温泉への相互乗り入れである。かつて、日光へのアクセスとして競争を繰り広げた旧国鉄と東武が相互乗り入れするというのは、確かに衝撃でありました。しかも、この列車は、新宿始発!。新宿と言えば、小田急のターミナル。
これに驚いた小田急が、もともと乗り入れしていた東京メトロ千代田線に、ロマンスカーを運行することを思いついた、とのこと。この列車の始発・終着駅(土休日のみ)を北千住としたのも、JR、東武への対抗意識、と言えなくもないでしょう。

Photo 前置きが長くなりましたが、レポートです。

小田原駅に入線するMSE。

Photo_2 Photo_3 車体はブルー。車内は、通勤にも使われるためか、木目調のシックなデザイン。派手さはありません。

Photo_4 車内表示に、「表参道」の文字。多少違和感がある?

カメラを構えていると、通路を隔てた隣から、小学生の男の子が話しかけてきました。
鉄道が大好きで、今日はおばあちゃんにねだってこの列車に乗せてもらったとのこと。

私は鉄道そのものにはくわしくないので、○○系などと言われても・・・。ただ、昨秋0系新幹線に別れを告げに行った話をすると、うらやましそうに聞き入っていました。

代々木上原駅には停車しますが、乗務員の交代のためのもので、ドアは開きません。そこで、「運転停車」という言葉を使う小学生!君はもう立派な鉄ちゃんです。

Photo_5 霞ヶ関駅で、少年とおばあちゃんに別れを告げると、もう車内は閑散としてきました。窓の外は日比谷駅を通過中。もうすぐ大手町駅に到着します。

Photo_6 大手町駅で下車します。ここから北千住駅まではノンストップ。ホームの案内板には、「ご乗車になれません」の文字があり、列車名や行き先の表示はありませんでした。

この日は、小田原~表参道間でも、乗車率は40%といったところでした。あまり知られてないのか、需要が少ないのかわかりませんが、地下鉄と小田原、箱根を直通するという異色の列車、いつまでも存続してほしいものです。

ここで、個人的な提案です。東京~大垣間の夜行列車として長く親しまれてきた「ムーンライトながら」が季節臨となりました。JR東日本は、東京発の夜行列車の削減を進めているようで、この列車も、いずれ消滅するかも知れません。
そうなった時には、ぜひ小田急とJR東海が協力して、小田急新宿駅始発で、小田急~御殿場線~東海道本線のルートで走らせてほしい、と考えています。すでに「あさぎり」で実績があるので、不可能ではないように思えるのですが・・・。

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2009年10月 7日 (水)

【ミステリー】記念日とエドガー・アラン・ポーの功績

今日、10月7日は「ミステリー記念日」なのだそうだ。

なぜミステリー記念日なのかというと、ミステリー(推理小説、探偵小説)生みの親、エドガー・アラン・ポーの命日だから、ということだ。「○○の日」というものには、ヘタなダジャレや強引なこじつけも多いが、これは納得。

ポーは、1849年10月7日、満40歳で亡くなっている。当時としても40年というのは、短い生涯であったろう。ポーは、27歳の時に13歳のヴァージニアと結婚するが、妻ヴァージニアは24歳の若さで肺結核で死去。その後のポーは、精神的に不安定となり、妻の死から2年後に行き倒れとなってそのまま息を引き取っている。死因には諸説あるが、過度の飲酒によるものという説が有力である。

私生活においては、決して幸福とは言えないポーの生涯であったが、創作活動においても生前は決して恵まれていたとは言えず、その作品が高い評価を得るのは死後のことである。

ポーの作品のジャンルは多岐に渡り、SFや怪奇小説、また詩人としても高い評価を得ている。その中で、探偵オーギュスト・デュパンが登場するのは、「モルグ街の殺人」「マリー・ロジェの謎」「盗まれた手紙」の三作品であり、これに「黄金虫」「お前が犯人だ」を加えた五作品がミステリーに分類されるにすぎない。

それでも、ミステリーの生みの親として高い評価を得ているのは、「探偵が事件を解決する」という新しいジャンルを創造したからに他ならない。探偵小説が一ジャンルとして確立するのは、サー・アーサー・コナン・ドイルがシャーロック・ホームズを創作してからだが、もちろんドイルもポーから多大な影響を受けている。

ポーはアメリカ人だが、ミステリーが評価されたのはイギリスだったようで、母国アメリカで評価されるのは、さらにその後のことであった。この新ジャンルが広まるのには時間がかかったようで、追従者が現れたのは、ポーの死後20年近くたった1866年のことで、フランスのエミール・ガボリオが、「ルルージュ事件」を発表し、ルコック探偵を登場させた。イギリスでは、1868年、ウイリアム・ウィルキー・コリンズが「月長石」を発表している。アメリカでは、1878年、女性作家アンナ・キャサリン・グリーンの「リーヴェン・ワース事件」まで待たねばならなかった。

ポーの評価は、わが国でも変わりがなく、邦訳が重ねられ、現在でも入手できる。ポー以降、ホームズの登場までの作品の多くが絶版になっているのとは大違いだ。

ポーの作品のすばらしさは、19世紀とは思えないほど論理的で、犯罪心理に触れる部分もみられ、21世紀の現在でも古さを感じない点にあると思う。機械的トリックなどは、時代とともに通用しなくなる場合が多く、廃れてしまうのに対し、論理的思考や犯罪心理学といったものは不変であるということだろう。

ミステリーというジャンルがある限り、ポーの功績は語り継がれるはずで、毎年10月7日はそれを思い出す日としたい。

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2009年10月 6日 (火)

【グルメ】【駅弁】代々木公園「来て見て食べて感動!九州物産・観光フェア」

10/10(土)~12(祝)、今年も代々木公園で「来て見て食べて感動!九州観光・物産フェア」が開催されます。

http://www.welcomekyushu.jp/fair/2009/index.html

http://www.welcomekyushu.jp/whatsnew/?mode=detail&id=51

遠くてなかなか行けない九州ですが、このような大々的なイベントを開催してもらえるのはうれしいですね。九州の方々にとっても、東京の人々に知ってもらう絶好のチャンスと言えるでしょう。

Photo_5 Photo_6 これは、昨年の画像です。

初日はあいにくの天気のためか、人出は少なかったのですが、2、3日目は大盛況!座る所がなくて苦労しました。

Photo_7 九州各地の駅弁の販売もありました。新作もあり、他の駅弁大会にはなかなか来ない「かれい川」もありました。

Photo_8 熊本の地鶏「天草大王」の焼き鳥です。
駅弁にもありますが、やはりできたての味は最高でした。今年も食べたいですね。

三日間ありますので、行ける方は、ぜひ。

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【東京】祝・オリンピック落選??

ご存じのとおり、2016年オリンピック開催地に立候補した東京は落選しました。

東京都民としては、多少残念な気もしますが、一部の人を除いて、オリンピック招致の盛り上がりはなかったように思えます。石原都知事にとっては、大打撃だったでしょうが・・・。

Photo 有明地区の現在の風景です。

豊洲の市場移転予定地から有明にかけて、広大な更地が広がっています。この地は、オリンピック開催時には、選手村になる予定だったとか。

ウォーターフロントの一等地がこのような状態なのは、もったいない気がします。いずれ住宅地となり、マンションが立ち並ぶことになるのか、地質に問題があり、住宅地には向かないのか、知識がないのでわかりません。ゆりかもめが通り、お台場にも近いこのあたりが住宅地になれば、相当な人気になることでしょう。

東京オリンピックの頃は知りませんが、これを機に高度成長の道を駆け上がった時代とは、明らかに違います。景気回復の起爆剤としたい考えも一部にあるようですが、この東京に、さらにハコモノを作って一時的に人を集めることには、賛成できません。治安の問題もあり、警戒態勢が強化されるのも迷惑ですし、景気の面でも「祭りの後」が心配です。

オリンピック招致にかかわった方々には申し訳ありませんが、個人的には落選にホッと一息といったところです。

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2009年10月 2日 (金)

【駅弁】山手線命名100周年記念弁当

お待たせしました。駅弁収穫情報です。

Photoといっても、遠出したわけではなく、東京駅にて、10月いっぱい限定販売の「山手線命名100周年記念弁当」です。

掛紙は、東京、上野、新宿、品川の4種類あるそうです。それぞれの駅限定なので、すべて集めるには全部行かなければなりません。

チキンライスの上のアスパラとゆで卵が「100」の文字を表しています。東京駅名物のチキン弁当をベースに、環状線ということで、丸い容器と丸いおかずにこだわったようです。

NREの駅弁は評判はイマイチですが、最近の記念駅弁は、よく考えられていると思います。

Photo_2 記念ステッカーが付いています。

「山手線」が命名された1909年当時は、品川~赤羽、池袋~田端間でした。鉄道に詳しい人なら、現在でも山手線は、正式には品川~田端間であることはご存じと思います。(田端~東京間は東北本線、東京~品川間は東海道本線)
この年の12月、品川~烏森(現新橋)間の電車線が開業。東京駅の開業は1914年、上野~神田間が開業した1925年から、現在の環状運転となりました。

山手線ですが、この時以降、1971年に西日暮里駅が開業した以外は、新駅の開業はありません。もう新駅を作る余裕はないということでしょうか。

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2009年10月 1日 (木)

【ミステリー】絶版になる前に、入手はお早めに

1990年代から、現在にかけて、国書刊行会、原書房、晶文社、新樹社、論創社といった出版社から、ハードカバーによる海外ミステリーの新訳の刊行が相次いでいる。

カーター・ディクスン「一角獣殺人事件」、マイクル・イネス「ハムレット復讐せよ」、アントニイ・バークリー「第二の銃声」、A・E・W・メイスン「薔薇荘にて」など、長く絶版であったり、邦訳されていなかった作品が次々と刊行されている。
また、マージェリー・アリンガム、ナイオ・マーシュなど、本国で評価が高いにもかかわらず、我が国では冷遇されてきた作家の作品も出ている。
そして、2008年には、世界最初の長編推理小説とされる、エミール・ガボリオ「ルルージュ事件」が国書刊行会から刊行された。このガボリオは、ミステリーの歴史上、重要な作家であるにもかかわらず、これまで、すべての作品が絶版であった。

これまで、なかなか読めなかった作品が読めるようになることは、ミステリーファンにとってはうれしいことであるが、なぜハードカバーなのか?という疑問が湧く。
海外ミステリーの二大出版社といえば、早川書房(ハヤカワミステリ文庫)と東京創元社(創元推理文庫)である。著名な海外ミステリーの作品は、ほとんどがこの二社、しかも文庫版で刊行されている。早川にはポケミス(ハヤカワポケットミステリ)もあるが、こちらでしか出ないものは、文庫よりマイナーな作品と言えよう。

神保町のミステリー・SF専門古書店、羊頭書房さんと話したところによると、やはり、売れている作品ならば、早川か創元から文庫で出るはずで、絶版にはならない、とのこと。売れるかどうか不安があるから、早川や創元は手を出さないわけだし、高価なハードカバーで出すのもそのためであるようだ。
そういえば、ドロシー・L・セイヤーズの作品は、90年代から主として創元推理文庫から刊行されている。セイヤーズは、本国では、アガサ・クリスティーと並び称される女流作家であり、売れるという見込みがあってのことだろう。同じ女流作家の、アリンガム、マーシュより優遇されている。
また、特殊な例として、ジョン・ディクスン・カーの「死が二人をわかつまで」「仮面劇場の殺人」「月明かりの闇」は、一度ハードカバーで刊行された後、そのまま早川、創元から文庫で出されている。このあたりは、さすがカーの作品、人気が高かったのだろう。

海外ミステリーは、出版界ではマイナーな存在なのか、一部著名な作品以外は、いつ入手できなくなるかわからない。新訳の刊行は喜ばしいことであるが、ハードカバーの作品は、重版が出ることは少なく、前記カーの作品のように文庫版が出ることは極めてまれである。したがって、これらの作品は読めるうちに読んでおかないと、入手困難になる可能性大である。

さらに言うと、文庫版で刊行された作品でも、絶版になっていまだ復刊されない作品は多い。羊頭書房さんによると、絶版になるのは、やはり売れなかったから、という場合がほとんどだそうだが、コール夫妻「百万長者の死」のように、面白いと思う作品もあるのだが・・・。

創元推理文庫から、1960年前後に刊行され、絶版になってしまった作品には、超がつく入手困難本が多い。「百万長者の死」をはじめ、カー「毒殺魔」(新題「死が二人をわかつまで」)「幽霊屋敷」(新題「震えない男」)、ハリストン・ヘクスト「誰が駒鳥を殺したか?」、クリストファ・ブッシュ「チューダー女王の事件」、アリンガム「反逆者の財布」など。(カーの二作品はその後タイトルを変えて他社から復刊)これらは、古書店でもめったに見かけないし、ネットオークションでは1万円以上になることも。

いわば、文庫版であっても、油断はできない訳で、気になる作品は、早めに入手しておかないと後悔することになる。

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